前回の記事では「失敗した私だからこそ語れるクラウドファンディング」というタイトルで記事を執筆させて頂いたのですが、もうご覧いただけましたか?
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前回の記事ではクラウドファンディングも一つのオンラインビジネスであり、原則自体は何も変わらないということで書かせて頂いたのですが、今回はもう少し特異的にクラウドファンディングならではの要素を書かせて頂きたいと思います。
クラウドファンディングの特異性
クラウドファンディングの大きな一つの特徴は、ヴィジョンを売っているということです。夢とか理念とか願望とか書いても良いと思いますが、こんなことが実現したら良いよねということを掲げておいてそれに対して、お金を集めています。少なくともそういう体(てい)でお金を集めています(笑)
正直、クラウドファンディングもそれを狙ってやっている人もいるし、そうじゃない人もいるしということで結構まちまちではありますが、私自身は別にそれが悪いとは思わないです。リターンをきちんと遂行する限りはどんなヴィジョンを掲げても良いと思います。
そして、ここで書いておきたいことは一般論として、皆から多くの賛同が集まるようなプロジェクトほど、お金は集まりやすいということです。皆が喜ぶようなものとはどういったものでしょうか?
だいたい皆が喜ぶようなものはもう作られてしまっているので、アイディアを出すのは難しいのですが、荒唐無稽な発想で良いのであれば、10万円で宇宙旅行に行ける民間会社を作りたいとか、東京大阪間を一時間で走る新幹線を作りますとか、量子化通信を可能にしてどこでもドアを作りますとかそんな感じだと思います。
こういったものであれば、多くの人がワクワクすると思います。もちろん、大阪から東京に住んでいる人、その中でも特に大阪とか京都の人間からすれば、東京まで1時間というのはかなり早くなるし、便利だなと思います。東京や横浜の人も京都、大阪が近くなるのでかなり便利だなと思うでしょう。
しかし、仮に当事者ではなくてもそういうワクワクするものなら実現すること自体が楽しみだという人も多いと思います。どこでもドアなんかは実現可能なら、誰もが欲しいと思うでしょう。ただ、量子化通信をするとなると量子化通信する前の自分が本物の自分なのか、量子化通信した後の自分を本物とするのか、自我の問題などは出てきますが、それでも技術的に可能であるということだけでワクワクするでしょう。
ちなみにですが、昔のドラえもんを見ていたら、カメラにもなるし、電話にもなるし、テレビにもなるという道具が出てきていましたが、これってスマートフォンですよね。昔の人がこんなものがあったら良いなと言うものがすでに実現されている訳です。
こういったものをアイディア的には実現できるんだけど、お金がないから実現できない、だから一緒に作りませんかと言うヴィジョンで引っ張っていくのがクラウドファンディングだと考えると非常に分かりやすく、またこれがクラウドファンディングの大きな特徴だと思います。
実は本記事で書きたいのは、ヴィジョンを意識すればクラウドファンディングで成功する確率が高いということではありません。普段から商品を販売するときに、このヴィジョンを意識すると売れる確率が高まるということなのです。
人間はノルマを課されるのは嫌いです。宿題をやってこいとか課題をやってこいとか今月は必ずこれだけの売り上げを挙げろじゃないと首だと言われるのは嫌いです。
でも、夢や理想を追いかけるのは好きなのです。あの人と結婚したい、フルマラソンで2時間10分が切りたい、年収1億円を突破してみたい、将来は田舎の大きな家で暮らしたい、将来は家を国内外に3個持って、色々なところを行き来して暮らしたい、こういった夢や理想を追いかけるのは好きな生き物です。
そして、一番重要なことは、仮にこうした夢がかなわなかったとしても、それを追いかけているだけで楽しいということです。それを考えているだけで楽しいということです。
阪神ファンの方には申し訳ないのですが、私が小学生の低学年の頃は阪神タイガースの暗黒時代でした。3年連続最下位に沈むなど、15年間で10回も最下位を記録していました。しかし、それでも関西にはたくさんの阪神ファンがいました。地元だからというのももちろんあるのですが、「今日は勝つかもしれない」と考えるだけで楽しくなってやめられないのだそうです。
私は巨人ファンでしたが、小学校高学年くらいになると逆に阪神が優勝するようになりました。ちょうど星野監督や岡田監督の頃です。逆に巨人軍は堀内監督の下、暗黒時代に入るのですが、やっぱり今日も勝つかもしれない、今日は清原がホームランを打つかもしれないと思うと応援するのをやめられません。
ヴィジョンと言うのはそういうものです。
世の中には様々なセールステクニックがありますが、小手先のテクニックだけだと長続きはしません。それはヴィジョンがそこにないからです。逆に、プロ野球のように負け続けてもヴィジョンが共有できれば、ファンは応援するということです。
では、実際に私はどのようにしてヴィジョンを作っているのかということですが、先ず第一には顧客の成功です。長距離走、マラソンが劇的に速くなるということをヴィジョンに掲げています。しかし、それは私が速くなるということではなく、あくまでもお客様が速くなるのです。
実際に、陸上競技未経験者としてはありえないくらい結果を出している方がたくさんいらっしゃいます。逆に、昔陸上競技を一生懸命されていた方は社会人になってからタイムを伸ばすのは難しいのですが、社会人になってからタイムを伸ばされる方もいらっしゃいます。
そこがヴィジョンになっています。そして、基本的にはヴィジョンは大きい方が良いのです。何故ならば、大きなヴィジョンは小さなヴィジョンを包括するからです。マラソンで言えば、2時間半切りのランナーを育てることが出来る人は4時間切りを目指す人も指導できます。しかし、3時間切りまでしか育てられない人は2時間半切りの選手は育てられません。
また、顧客の成功以外に私は以下のようなヴィジョンを設定しています。
・ケニアの貧困層からランニングに人生を賭けてみたいという選手を育成し、メジャーマラソンで優勝させる
・日本で実業団チームをもって日の丸を背負う選手を育成する
・ケニアの恵まれない子供たち(孤児や障碍者孤児)に最低限の衣食住と教育を提供し、希望する人には将来的に私と事業を提携し、雇用を提供する
こういったヴィジョンを掲げた時に賛同する人もいれば、賛同しない人もいます。別にそれはどちらでも良いと思います。強制したところで長続きしないですし、強制することも出来ないですし、楽しみながら一緒にやってもらえる人が集まると理想です。
ただ、事業を大きくして、売り上げをこういった活動にあてていくということは明言してあります。そうすると、顧客の方も自分が払ったお金がこういうことに使われているんだなと思うと喜ぶ人もいますし、またそれが実際に形になっていくと、今までは興味を示さなかった人もなんだか面白そうだから、自分もお金を出してみようかと思う人もいます。
しかも、そうやってお金を出すのもただ商品を買うだけですから、商品を買う時点で顧客にはメリットのあることなのです。それに加えて更にそういった特典があれば、もっと楽しいではないですか。
そんな訳で、私はキャンプファイヤーやマクアケなどのいわゆるクラウドファンディングの他社プラットフォームは使っていませんが、そういう意味では常にクラウドファンディングをやっているとも言えます。これに気づいたので、もう私はいわゆるクラウドファンディングをやらないのです。
最後に、一つ。このヴィジョンとは必ずしも綺麗なものであるとは限りません。前回の記事でも解説させて頂きましたが、クラウドファンディングとは直訳すると群衆からお金を集めることです。実際にゴルゴ13の複合標的群というお話がありました。
ベトナム戦争の際に、散々民衆を虐げた挙句、戦争が終わる間近に米国に亡命し、のうのうと暮らしている元政府高官や軍人がいました。それらの人間の始末をゴルゴ13に依頼するために、民衆からお金を集めて小銭も含む樽いっぱいのお金が集まったところでゴルゴ13に依頼するというそういう話です。
クラウドファンディングという話を聴くと私の頭にはいつもこの話が思い浮かびます。このクラウドファンディングにリターンはありませんでした。リターンはないのに、何故集まったのか?
我々を苦しめた挙句、今ものうのうと米国で暮らす政府高官たちを始末したいという民衆の想い=ヴィジョンが一致したからです。そういう意味では、政治活動に似ているかもしれません。
第一次世界大戦後のドイツでは、1再び経済的にも軍事的にも強大なドイツ帝国を作りたい、2共産主義からの侵略を阻止せねばならないという二つのヴィジョンの下、多額のお金がドイツ国家社会労働党に集まりました。自動車王ヘンリー・フォードも同政党に多額の政治献金をしています。それは共産主義の侵略を阻止するというヴィジョンが一致したからです。
ネット起業する方、IT起業する方の大半が、自宅で(旅先で、カフェで、彼女の家で)パソコンをカタカタいじって大金を稼ぎたい、そんな時間とお金の自由が手に入れば素晴らしいと思って起業します。
ここでいう起業とは副業も含めてとりあえず挑戦してみるということです。それ自体は良いことです。自分のヴィジョンに向かって行動する人は行動しない人よりも素晴らしいと思います。ただ、自分のヴィジョンだけでは長続きはしないということも頭に入れておくと良いと思います。
本気でインターネットを使って起業したい方、副業したい方、オンライン販売に力を入れたい個人事業主、経営者の方のお知らせです。現在拙著『情熱を金に変えろ!ブログで月100万円稼ぐ男はかく語りき』(3000円)の原稿データ(PDF)を無料でプレゼントさせて頂いています。今すぐこちらをクリックしてお読みください。
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