• 池上秀志

オンライン販売の成功の鍵

最終更新: 6月15日

 オンライン販売で一番勘違いされるのは、最新のテクノロジーやユーチューブ、インスタグラムといった新しいプラットフォームを駆使して、完全に新しい商売が展開されているということです。これは最も誤解をされていることですが、インターネットは所詮媒体でしかないので、インターネットとオフラインを完全に分けて考えることは出来ず、オンライン販売においても成功するのは、長い資本主義の中で淘汰されてきて残った理論の応用です。どの業界でも先人たちに敬意を払えない人はダメだと思うのですが、それは資本主義社会全体で見た時も同様です。


 私自身は、ランナー向けのオンライン講座の販売というこの世の中に存在しないものを作って2020年の1月、コロナと同時期に販売し始め、コロナウイルスの感染力にはやや負けるものの、新規顧客を開拓し続け、順調に会社を大きくさせてもらっています。私は1993年生まれの27歳で、「最近の若者は」と年配の方から説教を食らう時には若者に分類されると思います。オンライン講座をオンラインだけで販売し、オンラインで新規顧客を開拓し続ける27歳という意味では、それなりに新人類に分類されるのかもしれません。


 ですが、実は私がやっていることは昭和中の昭和です。ちょっと今風に言えば、キングオブ昭和です。私がオンライン販売に成功するにあたって大きなヒントを得たのはアメリカでマーケティングの仕事にあたっていたルイス・エンゲルという人の事例です。ルイス・エンゲルは私と同じで大学では哲学を専攻しており、ジャーナリストの経験を得て(自称物書きの私と同じ)ウォールストリートの証券会社のマーケティング担当になったのです。おそらく、ここで物書きの血が騒いだのでしょう。


 当時は「ばかげている」と非難を浴びたあるアイディアを思いつきました。それは「無料で役立つ情報を流して、もっと役立つ情報が欲しい人を募る」というやり方でした。そもそも証券マンというのは情報を売る仕事です。どこの株が上がるとかどこの株が下がるとかそういうことを教えてあげるのが株式ブローカーの仕事です。ということは無料で情報を流してたのでは、商売あがったりです。上司は猛反対しました。「君はマーケティングが分かっていない、私たちは広告を打つのであって、記事を書くのではない」と言われました。しかし、ルイス・エンゲルもここまでのマーケティングの仕事にフラストレーションを抱えており、一歩も引きさがりませんでした。


 しばらく押し問答が続いた後でエンゲルは上司に「どうして試してみないんですか?試してみて上手くいくなら上手くいくし、上手くいかないなら上手くいかないで良いでしょう。上手くいかないなら責任を取って辞めさせてもらいます」とまで言いました。そこで初めて、上司も許可を出しました。6540字にわたって、びっしりと6ポイントから8ポイントの大きさの小さな文字でびっしりと書き連ねられました。この記事が地元の小さな新聞記事に載りました。そして、最終的にどうなったかというと、5000人の見込み客が集まりました。


 時は1948年10月19日、この時代は応募するにも名前や住所、電話番号を書いて切手を貼ってポストに投函しないといけません。これをなんと5000人もの人がやったのです。


 時は翻って現代、私がブログを書き始めた時、「そんな長い文章誰も読まない」「そんな難しい内容誰も読まない」「お前のブログはブログじゃない」とまで言われました。ですが、私は確信がありました。何故なら、私の書く記事は1記事当たり5000字前後で、読み手に取って役に立つ情報を発信しているからです。もし、私が発信している情報が役に立たないのであれば、私の販売している商品もその人に役に立ちません。自分が販売している商品を買うべき人を集めるのがマーケティングであり、買うべき人を買うように説得するのがセールスです。これも多くの人が勘違いしていることですが、インスタのフォロワー数を増やしたり、フェイスブックのいいねの数を増やしたり、ユーチューブのチャンネル登録者数を増やすことはマーケティングではありません。そんなことは趣味でやれば良いことです。


 では、何故私が周囲からの猛反対の中で一人確信を持っていたかと言うと、このルイス・エンゲルの事例を知っていたからです。歴史の中で証明されたものはそうそう簡単には変わりません。そして、今は見込み客を集めるのも簡単になりました。メールアドレスと名前を入力して、クリックするだけで簡単に送信できますから。


 広告宣伝費もかなり安くなりました。これはフェイスブックとグーグルのおかげです。グーグルやBing、ヤフーなどの検索エンジンのことを広告連動型検索エンジンということもありますが、逆の言い方をすると昔はマス広告しか打てなかったのです。マス広告というのは、新聞やテレビ、ラジオなど多くの人が使う媒体で流す広告です。例えば、弊社のようなランナー向けのオンライン講座の販売となると、新聞広告を流しても読み手の全てがランナーではないので、広告宣伝費のコストパフォーマンスが落ちてしまいます。これは新聞広告はフェイスブックよりも効果が低いと言っているのではありません。コストパフォーマンスが低いと言っているのです。


 例えばですが、比較的安いローカルな京都新聞の下の方に広告を出すにしても50万円前後はかかります。これでは私のように1円の資本金で会社を作った人間には大きな出費です。勿論、京都新聞の読者の中にも走っている人はたくさんいますから、広告効果が低いとは言えません。問題はコストパフォーマンスです。今はフェイスブックに月数万円から広告を流すことが出来、フェイスブックがランニングやマラソンに興味のある人に広告を流してくれます。だからコストパフォーマンスは高いのです。


 で、そもそも先に役立つ情報を無料で与えるという発想がどこから来るのかということですが、人間心理として与えられたら恩返ししようと思うのがまともな人間の考えることだからです。世の中強盗とか強姦魔とかリンチするやつとか鬼畜と言わざるを得ない人種も存在するのですが、そういう人間は全体のごく一部です。普通の人間は与えられたら恩返ししようと思うものです。これは見込み客に買う理由を与えると言っても良いと思います。結構人って買っても良いなと思っていても買わないことが多いんです。でも買うということを正当化する理由をあげると買ってくれるんです。


 アメリカの心理学の研究でも確認されていることなのですが、ウェイターさんに出すチップの額について研究を行ったところ、先にお客様にチョコレートをプレゼントしておくと、チップの額が二倍になったそうです。更に、一度は注文を取って厨房に向けて踵を返したところで「あっ、そうだ。お客様はとても素敵な方なので、チョコレートをプレゼントさせて頂きます」と言ってからチョコレートをプレゼントするとチップの額が3倍になるそうです。


 要するに、先に相手に満足感や喜び、或いは物理的な物をプレゼントしておくと、チップが2倍になり、さらに特別扱いしてあげると、3倍になるということです。さて、ここからがオンライン販売への応用です。まず一番目の先に与えるということが無料で情報発信をするということです。そして、二番目の特別扱いということになると、絶対に必要なのが一対一でのやり取りです。限定情報を相手に与えていくということです。時には有益な情報である必要はなく、手書きの手紙などでも構いません。


 そして、ここからが私の持論ですが、オンライン販売と相性が良いのは使命型の人間です。使命型の人間というのは、相手の為にこれをやってあげる、或いは世の中のためにこれを実現するのが私の使命と心得ている人間のことです。もちろん、対価としてお金はもらいます。お金はもらいますが、どれだけお金持ちになったとしても、仕事に対する情熱が衰えることはありません。では、なぜ使命型の人間とオンライン販売の相性が良いかと言うとそのくらいの情熱がないとオンラインという競合他社が無数にいる中では生き残れないからです。


 たとえば、私も仕事でよく使うカフェがいくつかあります。大国バーガーというローカルショップとアゼリアというイタリアンレストランとミスドです。その日の気分によって場所を変えているのですが、これらのお店って私から言わせれば本質的に選ばれている訳ではないんです。少なくとも私からすればそうです。家の近くにあって、常識的な価格(1000円まで)でコーヒーが飲めて、仕事に集中できれば別にどこでも良い訳です。最悪、コーヒーが飲めなくても仕事に集中できればどこでも良いです。これって本質的に選ばれている訳ではなくて、家の近くにあるから行ってるだけなんです。


 ところが、オンライン講座をオンラインで販売するとなると、理論上は日本語話者の全員が競合他社になりうるわけでその中で圧倒的な一番にならないと生き残れません。これが「Winner Takes All(勝者がすべてをとる)」という言葉の意味です。私のメルマガにたびたび出てくる大学時代の経済学の恩師田岡文夫先生が、仕分け事業の蓮舫さんが「2番、3番じゃダメなんですか?一番じゃないと駄目なんですか?」と国会?(←国会かどうかは記憶曖昧です)で発言したことを受けて「あいつは経済わかっとらへん。一番やないと駄目なんですわ」とおっしゃっていました。そう、オンライン販売においては一番が圧倒的に勝つんです。


 オンライン販売で大成功したければ、使命型人間であることが望ましく、その圧倒的な知識量と経験で人々を魅了するくらいでなければ難しいと私は思います。さらに正確に説明するならばですが、たまにユーチューブとかSNSで流れている「全自動で稼ぎませんか?」「オンラインにお金を稼ぐ自動販売機を作りませんか?」という広告が流れてくるのですが、一応嘘ではないです。やろうと思えばできなくはないですし、私も今やろうと思えば一応できるはずです。ただ、人は魅力のある人に集まるので、そういう自分の仕事に情熱とか誇りを持っていない人のところに集まるかどうかは怪しいと私は思います。


 もっと言えば、別にオンラインを使わなくても、人をお金で雇えば自分は南国の島で美女とカクテルを飲んでてもお金は稼げるはずです。ただ、やっぱり人はヴィジョンや理念、理想に向かって動くものです。それが見込み客なのか、顧客なのか、社員なのか、アルバイトなのかに関わらず、自分のヴィジョンや理念、理想に向かって動いていない人に人はついていきません。お金を払う側に回るか、払ってもらう側に回るかはあまり本質的ではありません。見込み客にヴィジョンを見せて「自分もそうなりたい!」と思う人にそのヴィジョンを実現してあげる代わりにお金をもらうのがセールスで、お金を払う代わりにヴィジョンの実現を手助けしてもらうのが、人を雇うということです。


その自分の中にある理想やヴィジョンや理念を人に伝えて動かすのが直線説得法です。ただ、そもそもの理想やヴィジョンがなければ、直線説得法を使っても伝えるものがないので、意味がありません。いずれにしても、起業家に向いているのは使命型の人間であり、これはオンライン販売を目指す上で一つの条件です。私は情熱のある人間にしか、直線説得法もオンライン販売も教えません。時間の無駄になることが分かっているからです。


 話を元に戻しましょう。実はこの初めに無料で情報を与えて、後から大きくリターンを得るという手法は、日本のあの有名な起業家も身をもって経験しているのです。その人こそがリクルートを創業した江副浩正さんです。下記に大西康之著『企業の天才』から引用します。



「ここで江副に、後に大きな飛躍となる、ほんの小さな発見の機械が訪れる。

リクルート創業にまつわる、これまで何度となく書かれてきたエピソードだが、営業がうまくいかず困り果てた末に江副がたどり着いた帰結は、決して偶然ではなく、時代が抱えたルサンチマンにとらわれなかったことから来る必然だった。

 ある日キャンパスを歩いていて、経済学部の掲示板の、丸紅飯田(現丸紅)の会社説明会が法文一号館の三十八番教室(筆者注:江副氏の記憶違いだろう。実際には28番教室)で開かれる、との提示が目にとまった。「これだ!」と思った。

 早速、丸紅飯田の東京支店の人事課を訪ね、「東大新聞に説明会の告知広告を掲載していただけませんか」とお願いした即座にOKが出た。

 この告知広告で大勢の学生が集まり、説明会は盛況で、丸紅飯田の人事課に喜ばれた」



 この記述は1958年の大学時代の江副さんの話です。補足的に説明しておくと、時代が抱えたルサンチマン(怨恨)とはこの時代に学生たちの間に吹き荒れた共産主義思想のことだと思います。共産主義と資本主義の違いはまたおいおいメルマガなどで書いていきたいと思いますが、ここで重要なことは求人広告を載せたい人はなかなか集まらなかったけれど、説明会の告知なら出したいという人がいたということであり、このことは求人広告にお金を出すよりも、無料の会社説明会に対して広告を出した方が最終的に人が集まることを経験的に知っていたということです。これがなんと1958年の話です。


 オンライン販売も基本的には同じです。商品に対して広告を出すよりも無料の情報提供に対して広告を出した方が最終的にはたくさんの顧客が集まるのです。では、無料で役立つ情報発信を続けていれば、勝手に商品は売れていくのでしょうか?これが残念ながらそうではないんですね。商品販売の過程においてはどこかでマーケティングの段階が終わり、セールスが始まります。そして、高確率で集めた見込み客を顧客に変えるのが直線説得法です。


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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役 池上秀志

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 2017年9月からブログを書き始め、サイトの収益化に苦戦する。サイトを立ち上げてから初めの約2年半はほぼ無収入。ウォールストリートで年に50億円稼いでいたセールスの天才ジョルダン・ベルフォートより直線説得法を学び、初めての月間20万円、30万円、40万円、50万円と記録を更新し続け、3回目の緊急事態中に自宅から一歩も出ずに月100万円を達成。

 

 現在はブログやユーチューブなどの無料コンテンツの利用者は月間10万人、オンラインと電話だけで、対面営業無しで年間数百人の新規顧客を開拓し続ける。好きなことを仕事にしたい人や顧客獲得に悩む経営者の悩みを解決し、サポートしています。

​ ジョルダン・ベルフォートの直線説得法認定コースを2021年4月2日に修了する。