8歳から新聞売りをはじめ、10代にはジョーンズビーチでのアイスクリーム売り、シーフードビジネス、そして株式ブローカー、不動産、自身のセールスオンライン講座など、57歳になるまで、セールスパーソン一筋のジョルダン・ベルフォート、彼はセールスパーソンとしてだけ、名をはせたのではありません。セールストレーナーとしても名をはせました。
彼が初めてセールストレーナーとしてデビューしたのはまだ二十歳前後のころです。彼は当時シーフード販売のフルコミッションのセールスパーソンとして働いていました。その時会社の一日の最高売上の記録をマークすると、会社から他のセールスパーソンにも教えてほしいと頼まれました。ジョルダン・ベルフォートはその時すでにのちに起業することを決めていたので、自分の会社の社員教育の練習だと思ってその仕事を引き受けました。
その後シーフード販売の会社を立ち上げて、起業したもののすぐに上手くいかなくなり、自己破産しました。その時は「自分はセールスパーソンとしては優秀でも、起業家としては素質がないのではないか」と落ち込んだそうです。
そして、その後ウォールストリートに行き、NFロスチャイルドという証券会社に就職し、初日にいきなり上司から「お前はクズ以下だ。なんか文句あるか?」と言われ、「いえ、何もありません」とジョルダン・ベルフォート、「いいだろう。何故ならお前はクズ以下だからだ」というやり取りから株式ブローカーとしてのキャリアをスタートしました。
当時を回想して、ベルフォート氏は「クズ以下、まさにそれが当時私が自分自身に抱いていた感情だ」と語っています。悪運は重なるもので、研修期間を終えた初日に会社が倒産します。路頭に迷った彼は、インベストメントセンターという会社でもう一度フルコミッションの株の販売員になった後、自身の証券会社オークモントストラットンを立ち上げます。
そこで本格的にセールストレーナーとしてのキャリアをスタートさせます。彼が自身のセールス経験の中から体系化した手法を素人たちに教えると、次々と優秀なセールスパーソンが誕生しました。彼は26歳にして年に50億円を稼ぎましたが、これは彼一人で稼いだ金額ではなく、彼と彼の12人の社員たち(通称ストラットナイツ)で稼ぎ出した額です。
そして、現在はセールストレーナーとして一般人にも幅広くセールスを教えているジョルダン・ベルフォートですが、今回はそんな彼のセールス手法の2つの秘密に迫ります。
セールスにおける二大要素
「人は論理で買わないという人の話を信じてはいけない。何故なら、それは事実ではないからだ。緻密な論理と感情の両方を構築する必要がある」
ジョルダン・ベルフォートは上記のように語ります。人は論理レベルと感情レベルの両面で、この商品を買った方が良い、この人から買った方が良い、この会社から買った方が良いという確信度を高めることでモノを買うと言います。本質的にはこれがすべてであり、その他の全ては些細なセールステクニックにすぎないと語ります。
では、論理でモノを買ってもらうにはどうすれば良いのでしょうか?
論理レベルの確信度を高めるプレゼンテーション
人が物を買うにあたっての論理とは、もちろんその商品を買った方が良い理由を提示するということです。それが衣食住のようなはっきりと目に見えるものから、何らかの仕事の外注であったり、情報商材のように目に見えないものであったり、色々なものでありうるのですが、それが何であれ、論理レベルの確信を高めることが非常に重要になります。
では、その為には何をすれば良いのかということですが、先ずは商品やサービスの特徴を説明します。そして、その特徴から導き出される商品やサービスのメリットを提示します。要するに、このランニングシューズの厚さは踵が2.5ミリ、前足部で2ミリ、重さは200グラムで、比較的幅広の設計、それでいながらアッパーの部分は幅を狭目に作っている、靴の内側をやや高めに設計してある、などが特徴です。
そして、そこから導き出されるメリットは、靴の厚さは地面の感覚をしっかりと地面でとらえられる程度の厚さでありながら、そこそこの厚さがあるので、クッション性もある、重さは200グラムで速めのペースのトレーニング、レース、レースに近いトレーニングなど様々な用途に対応できる、アッパーの部分の隙間をあまり作っていないので、スピードトレーニングのように激しく動いても、靴の中で足が滑らない、内側をやや高めに作っており、疲れてきて足のアーチが落ちてきても靴がサポートしてくれるなどなどそこから導き出されるメリットです。
もう一件、別の例を出してみましょう。アウトドア用の車です。例えば、8人乗りで後部座席は完全にたためるので、後ろのスペースを大きくとれる、防水性のシートを使っており、濡れたままでも乗れる、それぞれの座席もゆったりしていて5人家族でもゆったり乗って更に後ろにたくさんの荷物を載せることが出来る、オフロードでも問題なく走れるなどの特徴から、海、山、川どこにでも家族で出かけて行って、バーベキューセット、サーフボードなんかもすべて問題なく後ろに積めて家族で最高の思い出が作れますよというのがそこから導き出されるメリットです。
実はメリットというのは販売する商品なんです。車を売るから車が商品ではありません。その車がアウトドア用なら家族や友人とのアウトドア体験が商品です。ブランド品(高級車)ならその車に乗ることで得られる満足感、周りから「稼いでいる優秀な人」と見られること、「周囲の女性からモテること」などが商品になります。
ただしそこには論理的な帰結がないといけません。その車がアウトドアにぴったりで、アウトドア好きなら絶対この車を買うべきという主張は良いとして、何故そう思うのか、何故そうなのかという論理的な結びつきがないといけません。
オンライン販売や電話での販売なら特にそうです。ここの論理をしっかりと構築することがジョルダン・ベルフォートが優秀なセールスパーソンであった理由の一つです。
ルーピングバック
この論理的な説明は通常はプレゼンパートでします。ですが、ジョルダン・ベルフォートはプレゼンは一回では不十分だと言います。何故なら、プレゼン技術に関わらず人間は一度言われただけでは理解するのが難しい生き物だからです。反復は学習の母という言葉がありますが、この言葉は一回聞いただけでは理解することが難しいことを端的に語っています。
ですから、プレゼンパートは二回に分けて考えるべきで、一回ですべて話してしまうのは避けなければいけないと語ります。要するに、同じことでも一回で話すのと二回に分けて話すのとでは理解できる度合いが違うということです。
では、二回目のプレゼンはどこでやるのかというと「もう少し考えさせてください」「奥さんと相談させてください」「今ちょっとお金がなくて」と言われた後です。この後改めて再プレゼンをすることで、見込み客の確信度合いを高め改めて購入へと導いていきます。
エナジーインベネフィッツアウト
論理レベルでの確信度合いには当然価格も含まれます。私もセールスパーソンとして経験があるのですが、お金がないというのと高いというのは全く違います。「お金がない」というのは「もうちょっと考えさせてください」の言いかえである可能性が50%、残りの50%は本当にお金がないのです。
一方で、高いというのはこの商品、サービスでこの価格は高すぎるという意味です。そうすると、どうしてこの価格がついているのか、そのお金は何に対して支払う金額なのかということをきちんと説明しないといけません。
勿論、その説明も論理的でなければいけません。エナジーインベネフィッツアウトという言葉の意味は、エネルギーを注ぎ込んだら、それに見合うベネフィット(メリット、良いこと、満足)が出力されなければいけないという意味です。無理やり訳すなら投資入力利益出力の法則とでもなるでしょう。
ここでの投資=エネルギーはお金だけではありません。購入手続きにかかる労力も含めてです。ですから、購入手続きは出来るだけ簡潔にしておく必要があります。ジョルダン・ベルフォートは次のように語ります。
「世界でこのエナジーインベネフィッツアウトを最もエレガントに体現しているのはアマゾンだ。アマゾンにはワンクリックで買うというボタンがある。もしこれがツークリックで買うに変わると売り上げの多くを失うだろう、そしてスリークリックに変わるとさらに多くの売り上げを失うだろう。
そして、エナジーインベネフィッツアウトの観点から言うと、見込み客からいくらですかと聞かれてたった○○ドルですと答えるセールスパーソンは成約率を大幅に落とすことになる。その商品の価格はエナジーの方であり、エナジーを答えるなら同時にそこから導き出されるベネフィットを同時に答えないといけない。
たった○○ドルで、先ほども申し上げました通り、○○が〇日後にお手元に届き、ベネフィット1とベネフィット2とベネフィット3をご満足いただけますというのが正しい答え方だ」
見込客との信頼関係を築く
人は感情でモノを買うのであって論理で買うのではないというのが間違いなら、逆に人は論理でモノを買うのであって、感情でモノを買うのではないというのも間違いです。感情と論理の両方が大切です。では感情面でのアプローチはどのようにすれば良いのでしょうか?
人の感情ほど難しいものはありません。ジョルダン・ベルフォートは感情面でのアプローチは基本的には話し方と身体言語の二つの構成であるとし、次のように語っています。
「私が逮捕された後(筆者注 ジョルダン・ベルフォートは一度株式操作、マネーロンダリングなどの罪で刑務所に入っている)、オークモントストラットンで使われていたスクリプト(筆者注 営業台本)が世界中に出回った。
しかしながら、同じようなスクリプトを使っていながら、オークモントストラットンと同じような成果を挙げた会社は一社もなかった。何故なら、同じ文章を読んでいてもその読み方が私たちと違ったからだ。私たちがあれだけのクロージング率を達成したのは、プレッシャーを感じさせない話し方をしていたからだ。
同じ文章でもプレッシャーを感じさせるような話し方では見込み客は逃げてしまうが、相手に考えさせ、最終的な判断を相手にゆだねるような話し方をすれば、見込み客は私のことを信頼する。そして、信頼されていれば後は論理的なプレゼンがしっかりと出来ていれば必然的に買うことになる」
さらに追加で言えば、緻密な論理を構築する上で重要なのが見込み客の情報収集です。そして、最も正確な情報を速く収集する方法は、直接見込み客に聞くことです。
しかし、人は信頼している相手には多くを語り、信頼していない相手には少なく語るという習性を持ちます。ジョルダン・ベルフォートはセールスとは「買うべき商品を買うべき人に買うように説得すること」だと語ります。
従って、先ずは見込み客との会話の中で相手にぴったりの商品やサービスが何なのかを見極めるために情報収集をしないといけない、そして正確な情報収集の為にも信頼関係が重要だと語ります。
ちなみに二点間の最短距離は直線であり、彼のセールス手法は見込み客に対して最速で信頼関係を築き、最速で論理レベルの確信度合いを高めることから直線説得法と呼ばれます。
そして、感情レベルでのアプローチで最も重要なことは、相手の感情を害しないことだと彼は語ります。ほんの一例をあげると、相手から気持ち悪いと思われるような癖があったり、手の動きがあったり、或いは相手の近くに立ちすぎたり、不快なにおいがしたり、配管工なのにビシッとスーツで決めてきたり、逆に証券会社で働いているのに、ジーンズにTシャツで訪問してきたり、なんかのこの人嫌だ、なんかこの人おかしいと思われないことが重要だと言います。
何故なら、普通にやっていれば買ってくれる人が買ってくれなくなるからです。
直線説得法のコンセプトは「クロージング可能な人を全員クロージングする」です。ジョルダン・ベルフォートは「この世の中には自分の商品を買う人といかなる場合でも買わない(もしくは買うべきではない)人の二人がいる。
買わない人の相手をするのは時間の無駄なので、早めに見極めて自身のセールスファネルから除外する必要がある。しかしながら、セールスパーソン最大の恥は今日自分から車を買わなかった人が明日違う人から車を買うことだ」と言います。このようなことが起こらないためにも感情面でのアプローチが重要になります。
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