ビジネスマンのための体力作りの薦め
- 池上秀志
- 6月17日
- 読了時間: 16分
突然ですが、あなたは何か運動をされているでしょうか?
されていない方は必ずなんでも良いのでやって下さい。本日はその理由についてお話をさせて頂きます。
先ず、初めにどの程度の運動なのかということですが、ちょっと体を動かして気持ち良い程度のものではありません。出来れば、肉体的な苦痛を伴うものが望ましいです。それが嫌な方は技術系の種目を選んで、真剣に技術の向上を目指してください。
それは一体何故なのかということですが、理由は二つあります。本日は順に解説をさせて頂きましょう。
先ず、第一に経済競争に勝ち抜くための土台を作る為です。その土台になるのが体力と精神力です。先ずは体力の方からみていきましょう。ホリエモンこと堀江貴文さんはユーチューブの中で以下のようなことをおっしゃっていました。
「時間あるようでないから本当に焦った方が良いよ。体力あるのなんて、20代、30代だけだからね。体力なくなってくると、先ずやる気が起きないでしょ。やる気が起きないと考える気も起きなくなる。だから、20代、30代までに成功してしまわないと人生詰みだからね」
私は基本的には堀江さんのご意見に大賛成です。ただし、賛成の部分は体力がないとなかなか起業家として成功するのが難しいという部分だけです。要は体力があれば良い訳です。ですから、体力さえあれば40代、50代であっても成功はするのです。体力をつければ良いのです。
そんなことが可能なのかと思われるかもしれませんが、可能です。実際に、何人もの方が私の指導の下、長距離走、マラソントレーニングに取り組み、40代、50代、中には60代で今までよりも疲れにくくなったとおっしゃる方がいらっしゃいます。
また、堀江さんは体力がないとやる気が起きない、やる気が起きないとおっしゃっていますが、非常に良い点をついておられます。堀江さんは体力がないととおっしゃっていますが、一応私はこれを体力と精神力に分けて考えています。
一応と言いますか、体がキツイというのは肉体的な現象であるのに対し、頑張るか頑張れないかは精神的現象だからです。
ですが、堀江さんはやっぱり凄い方だなと思うのはこの二つを同列に語っておられることです。これは事実で、体を鍛えないと精神力もなかなか養えないからです。
では、精神力とは一体何でしょうか?
精神力とは頑張り抜く力のことです。何が何でもやり通す力、やり抜く力です。細かく分ければ、更に受動的精神力と能動的精神力に分かれます。受動的精神力とは環境の中で頑張り抜く力です。上司から言われてやるとか、同僚のあいつに負けるかと思って頑張り抜く力です。会社員や公務員の方に必要な力と言えるでしょう。
一方で、能動的力とは自ら目標を設定し、自ら計画を立て、自らの意志に基づいて頑張り抜く力です。言うまでもなく、起業家に必要なのは後者の力です。
では、この精神力はどうすればつくのでしょうか?
精神力と呼ばれるものは人間の根源的な力=生命力と言い換えると理解しやすいと思います。確かに、理論上は精神と肉体は切り離されているはずです。ですが、例えば生殖器が発達するとともに異性に興味を持つようになり、生殖器の衰えと共に異性への興味関心は衰えていくというように互いに影響し合っています。
食欲だって、お腹が減れば減るほど食べ物を求める気持ちは強くなり、お腹いっぱいになると今度はそれ以上食べ続けると苦しくなります。つまり、ある程度は互いに関連し合っています。
ですから、実践的観点から言えば、ほぼ同じなのです。つまり、生理学的適応無しに精神だけ強くするというのはなかなかに難しいのです。では、実際にはどのような運動をすればこの精神力が鍛えられるのかということですが、肉体的恐怖、不安、苦痛を自らの意志で乗り越えるようなものが望ましいです。
このように考えてみると、マラソン、ボクシング、水泳、ヨットなどが望ましいでしょう。
ですが、これらのスポーツが全てではありません。何故ならば、技術系種目には自らの意志の力で自らの体を思うように操るための鍛錬が含まれるからです。自分の体を自分で思うように操れるように鍛錬する、ここに集中力が養われるので、技術系のスポーツも悪くはありません。
そして、何よりも大切なことは真剣な技術の習得のためには努力を要します。つまり、肉体的苦痛を伴うのです。
このように考えてみると、ありとあらゆるスポーツは肉体的恐怖、不安、苦痛を自らの意志で乗り越えるという要素と技術系の要素の両方が入っています。
野球なんかでもゴムボールとプラスチックバット(いわゆる空バット)でやったら面白いでしょうか?
死なない工夫は必要ですから、ヘルメットをかぶったり、ある程度の防具はあって良いでしょう。あるいはプロのレベルであれば、金属バットは打球速度が上がり過ぎて死者が出る危険性があるので、木製バットを使うとかも理解出来ます。
しかし、そういった死なない程度の安全性がある上で、やっぱり投手の投げ込む球にも打者の打った球にも、本塁に突っ込んでくる走者にも一定の恐怖を感じるからこそ、スポーツは面白いのでしょう。プロ野球はコリジョンルールというルールが出来て、本塁上の捕手と走者の交錯がなくなりました。
私が子供の頃は、必死の形相で本塁へと突撃する走者、きわどいタイミングの中で必死に本塁送球する野手、球が捕手に渡る、走者が捕手へと体当たり、捕手が吹っ飛ぶ、果たしてアウトかセーフかというシーンに血潮がたぎったものですが、今ではそんな光景も見られなくなってしまいました。
安全になったと言えば安全になりましたが、つまらなくなったと言えばつまらなくなりました。
話を元に戻しますが、死なない程度の安全管理は必須ですが、このような身体的恐怖を乗り越えることで、脳幹と呼ばれる脳の中でも原始的な欲求を司る部分が強くなるのです。本をたくさん読むと言語野が強くなるというのと同じで、身体的恐怖、苦痛、不安を乗り越えることで、生命力全般を司る脳の部分が強くなるのです。
このように考えてみると、江戸時代までの武家の教育は非常に良かったのではないでしょうか?
男子は武道を通じて、恐怖を乗り越えるとともに、剣術にせよ、柔道にせよ技術が求められ、女子には華道や茶道のように体力的にはそれほどきつくないけれど、長時間正座しなければならなかったり、長時間の集中力を要するような習い事をさせていた訳です。
理屈はわかっていなかったと思いますが、きっと経験的にそれが正しいことをご存知だったのでしょう。
繰り返しになりますが、肉体的恐怖、不安、苦痛を乗り越えて自らの意志で体を動かしたり、あるいは自分の体を思い通りに操ろうと集中することで精神力が鍛えられるのです。この精神力、そして体を動かすことで勝手に鍛えられる体力がビジネスマンの土台、基盤になるのです。
元陸上自衛隊陸将の福山隆さんという方がいらっしゃるのですが、やはり福山さんも元自衛隊員は色々な方面で活躍する方が多く、その理由は様々あるけれども、何よりも強い訓練で培った精神力を挙げておられました。
どんなに綺麗ごとを言っても、頑張り抜く力と集中力の無い人が経済競争に勝ち抜くことは不可能です。
唯一可能性があるとすれば、投資家になることでしょう。ただし、投資家として成功するには最低でも余剰資金で1000万円(お金持ちになることを考えると、余剰資金で1億円)、もしくは宝くじに当たるとか、ビットコインの億り人になるなどの強運が必要になります。
誰にでも出来る再現性の高いやり方とは言えません。
頑張り抜く力と集中力を養うのに運動はほぼ必須であるというのが第一点です。
二点目ですが、ビジネスマンとして成功するには人を動かすことが必須です。例えばですが、セールスパーソンの仕事は人にものを買ってもらうことです。あるいは、その人が買うべきではない商品を買おうとしていたら止めてあげる、あるいはこちらの方が良いですよとよりその人に合った商品を紹介してあげるのが仕事です。
このように考えると、これは買った方が良いですよと言ったら、買ってもらう、これは買わない方が良いですよとか今は買わない方が良いですよといった時にいうことを聞いてもらう、あるいは部下を動かす、銀行家を動かす、投資家を動かす、全てにおいて人を動かすという要素が必須になってきます。
では、人を動かすにはどのような要素があるでしょうか?
実は突き詰めれば二つしかありません。以下の二つです。
1自分の方が相手よりも強い
2相手の為を思って提案する
この二つです。一つ目の要素を掘り下げると、先ず自分の専門分野において相手よりも上であるというのは当り前です。例えば、普段はこんな風に偉そうに色々ものを書いている私ですが、電気屋さんに行ったら素直に定員さんに色々と教えて頂きます。何故ならば、電化製品に関しては店員さんの方が私よりも詳しいからです。
この、自分の専門分野に関して、相手よりも詳しいというのは新入社員でもない限りはクリアしているでしょう。起業するならなおさらです。パドルフィッシングで起業するのに、相手よりもパドルフィッシングの知識と経験がないのであればお話になりません。
ここをクリアしている前提で、もう一つ必要なのが人間としての力です。人間も動物ですから、本能的に自分よりも強い人の言うことを聞きます。
これは私が高校生の時のお話です。私の学級は男子53人という大所帯でした。男子高校生53人を一室に集めるのです。元気のない訳がありません。体罰は良くないなどと言いますが、男子53人も集まったらどうなるかお分かりでしょうか?
先生に殴られたら、後で後ろからバレーボールなりバスケットボールなりを先生にぶつけていました。ある意味では、喧嘩両成敗というやつです。
ただ、女性教員が受け持つ授業ではそういうことはありませんでした。なんとなく、女性をイジメたら可哀そうという本能は皆持っていたのでしょう。ただ、男性教員が相手だと自分達よりも弱いと思うと、瞬く間に授業妨害が始まります。
そんな中で、一切の乱れを許さない先生がいらっしゃいました。我らが陸上競技部の顧問中島道雄先生です。中島先生が教室に入ってこられると、初めはまだざわついています。皆、状況を把握していないのです。
ところが、中島先生が「シャツを入れろ」「おい、チャイムなっとるぞ」と二言三言発するだけで、シーンと静まり返るのです。ちなみに、中島先生は我々陸上競技部員以外には体罰使っておられなかったと思います。少なくとも、私は見たこともないし、そういう話を聞いたこともないです。
ですが、生徒は本能的に「ヤバい奴が来たぞ。こりゃかなわん」というのはわかるものなのです。
つまり、全く同じことを言っていても誰が話すかで変わるのです。これは話の内容が変わる訳ではなく、そもそも話を聞くか聞かないかの話なのです。中島先生がお話になれば、とりあえず話だけは聞く訳です。納得するかしないかはまた別の問題です。ですが、話を聞いてもらわないとどうにもなりません。チャンスが0なのです。
弱い人間が話すとそもそも話を聞いてもらえないので、どんなに良いことを話しても可能性が0なのです。
では、ここでいう強さとは一体何のことでしょうか?
くり返しになりますが、中島先生は別に体罰を陸上競技部以外の生徒には使っておられませんでした。つまり、ここでいう力とは暴力で無理やりいうことを聞かせていた訳ではないのです。
当たり前ですが、権力もここでいう力とはやや別問題です。人間としての素の力のことです。ただ、人間としての素の力が強い人が多くの人を従えるので、自然と権力は強くなります。
ですが、全ての権力者が人間としての素の力が強い訳ではありません。ここを取り違えないようにしてください。寧ろ、会社員の方の話を聞いていると力はないのに、立場上は管理職になってしまったが故の苦労話というのを非常によく聞きます。やっぱり、力がないと統率することは叶わないです。でも、役職は管理職なので苦労するのです。
ここでいう力とは、体力、精神力、知力、金銭力、胆力(勇気、決断力、統率力)、精力のことです。この中で改めて中島先生を考えてみると、金銭力は正直当時高校生ですからよく分かりません。私立の進学校で、当時中島先生も還暦過ぎでしたから、良かったとは思います。でも、高校生なのでまだよく分かりません。
体力も当時61歳ですから、我々の方が上のような気はしますが、精神力と胆力、別の言葉で表現すると気迫のようなものが凄まじかったです。我々はそれを覇王色をまとっていると表現していましたが、その気迫的なものが凄かったのです。その故、逆らおうにも逆らえないのです。理性で我慢するのではなく、本能レベルで逆らえません。お腹減っている時に、ご飯が食べたくなるのと同じです。確かに、お腹が減っていても今は我慢しようと我慢することは出来ます。ただ、お腹が減るのは止められないというのと同じで、この人の言うことは聞いておこうという気持ちそのものを止めることは出来ないのです。
中島先生の話はこのあたりでもう終わりにさせて頂きますが、いずれにしても運動を通じて体力と精神力と精力は最低限養えます。胆力と知力もやり方次第では養えるでしょう。そんな訳で、人に真剣に話を聞いてもらえる可能性が上がるのです。完全報酬制の営業のお仕事や起業をされている方であれば、それで10%でも話を聞いてもらえる率が上がれば、そのまま10%%収入が上がるということです。
二番目の要素には、相手の為に提案をしているというところも重要になります。これは本記事の主題からは外れますが、人は確かに自分よりも強い人のいうことを聞きます。ですが、それを自分の利益の為にやるということは絶対に認められません。
例えば、社長が女性社員におっぱい触らせてくれとか言うのは、自らの強さを自らの利益の為のみに利用し、なおかつ相手がそれを嫌がっているのであれば被害者がいる訳ですから、こういったことは絶対に認められません。尊敬を失えば、ビジネスマンとしての結果が低下するのは当然です。
休日に従業員を自宅にこさせて自分の車を洗わせるなども同様です。
ただし、それが相手の為になるのであれば相手はいうことを聞いてくれるものなのです。具体的には、相手の顕在的不快と潜在的不快を取り除いてあげること、あるいは顕在的快と潜在的快を与えてあげることです。
それぞれ一例だけ挙げさせて頂きましょう。
顕在的不快とは今困っていることなので、雨漏りして困ってるとかその類です。
潜在的不快とはこのまま放っておいたら大変なことになるので、今対処しましょうということなので、初等・中等教育や新入社員教育がこれにあたるでしょう。
顕在的快とは今この場で快感を与えてあげることなので、飲食店や売春がそうです。
潜在的快とは将来こんな良いことがありますよということなので、教育全般がその代表です(少なくともそうあるべきです)。
お気づきの方も多いと思いますが、事業とは相手の顕在的・潜在的不快を取り除いてあげるか、あるいは顕在的・潜在的快を与えてあげる代わりにお金を頂くことなので、これが達せられると勝手にお金は稼げるのです。
その為には強くならなければならず、その要素の二つに体力と精神力があり、この二つを養うのは運動が良いということです。
私のおすすめのスポーツは?
私のおすすめのスポーツはなんと言っても長距離走、マラソンです。何なら、大会に出る必要すらないので、自らの能力の向上を目指して走ってみてください。体力と精神力を養うのにこんなにも良いスポーツはありません。
更に、大会で結果を出すということになれば、知力と胆力も養われます。
これから走り始めて大会で結果を出したいという方のために初心者向けの入門書として『詳説長距離走、マラソンが速くなるためのたった3つのポイント』(1000円)という書籍の原稿データをPDFファイルで無料プレゼントさせて頂きますので、ご希望の方はこちらをクリックしてお受け取り下さい。
それ以外だと手軽にできる筋トレや体幹トレーニングがおススメです。月6000-8000円くらいの投資で使えるジムが多いようですし、家でやる体幹トレーニングもヨガマット一枚分のスペースで取り組めるのでおススメです。
ヨガマット一枚分のスペースでご自宅にて取り組めるものとして「ランナーの為の体幹補強DVD」(4000円)というものをご用意しております。ランナーの為に考案されたものではありますが、別に一般の方がやったら死んでしまうということはないので、もし良かったらこちらもお使いください。
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という訳で、今回はビジネスマンの為の体力作りの薦めでした。
追伸
知力重視、学歴重視の現代社会において、意外にも?体育会系の人が多数ご活躍されているのは皆さまなんとなくお気づきだとは思います。
その一方で、陸上競技の世界であれだけ活躍したのにと思う人も多数いることが事実です。私の周りには全国大会出場者、全国大会入賞者、優勝者、元実業団選手が多数います。現役時代あれだけ頑張れたんだから、セカンドキャリアでも簡単に成功出来るだろうと思うのですが、そうはならない方が非常に多いのです。
誤解の無いように書いておきますが、別に自己破産したり、引きこもりになったり、仕事が全く出来なかったりとかそんな感じではなく、良くも悪くもごく普通の会社員をしているのです。
まあ、陸上競技で成功したいという欲求があったからと言って、他の世界でも頑張りたいと本人が思うかというとそうでもないので、単に仕事にやりがいを感じていないだけかもしれませんが、私はそれだけではないと思っています。
というのも現役時代に心身ともに酷使した人ほどもう運動したくないと思うようになる理由が一点。
もう一点は頑張り抜く力には受動的に頑張る力と能動的に頑張る力の二つがあるのですが、陸上競技の世界では受動的に頑張る力は非常に高いのに、能動的に頑張る力が受動的に頑張る力に比して非常に劣る人が多いのです。
これは陸上競技というスポーツの問題ではなく、教え方の問題でしょう。どうしても、中学、高校、大学とその場で結果を出すことが指導者にも求められるので、ついつい強すぎる強制力を働かせて、短兵急なやり方になるのでしょう。
初期の精神力がまだ極めて未熟な段階においては半強制力を働かせることが大切です。しかし、徐々に徐々に自らの意志で頑張る力を育ててやらなければならないというのが一点と、精神力も半分以上は生理学的適応によって生ずるので、継続的に鍛錬をしておかないと衰える一方なのです。
幼少期の思い出は今も私の胸の中で生き続けています。これは思い出には精神的要素(情報的要素)が大きいからでしょう。
しかしながら、頑張り抜く力は脳幹部にかなり依存します。つまり、生理学的適応なのです。鍛錬しておかないと筋力も持久力も衰えるのと同様で、精神力も衰えるのです。
他のスポーツのことは私はわかりませんが、長距離走、マラソンに関しては、セカンドキャリアに問題が生ずる場合、このような問題点があります。
ですから、昔体を鍛えていたから大丈夫などとは思わずに、継続的な鍛錬に励んでください。また、部活動は顧問の先生がいて、仲間がいて、いやがおうにもやらねばならない環境がありますが、市民ランナーさんは自らの意志で自分でやらねばなりません。これが能動的精神力を養うのに非常に良いと思います。
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